「スタイリストになって好きだったことは、お客様を喜ばせること。それしかないです」

『次世代美容師コンテスト』選考委員インタビュー Vol.2 高木琢也さん(OCEAN TOKYO代表取締役)

当時仕事で好きだったことは?
「キツかったから記憶にないです(笑)。でもパーマかな……あの頃からパーマは好きだったかも。スタイリングとパーマはお客さんと一対一の時間だったから。初めて任せてもらったのもパーマだったし」

スタイリストになってから好きだったことはなんですか?
「お客さんを喜ばせること。それしかないです。僕はお客さんとして美容室に行っていた時は、本当に緊張してたんです。脇汗をかきながら、汗が止まんなくって。だから緊張させない美容師に切ってもらいたかったという思い出があって。緊張しないでいける美容師になりたかった。それが叶っていくのがよかったです」

嫌だったなあってことは?
「年功序列」

それって今は砕けてきてるんですか?
「ウチは砕けてきている……でもいうほど砕けてはないかな。砕けたいんですけど。売り上げがあったりとか。結局上の人たちの方が強いから。数字はしょうがないじゃないですか。これが結果、信頼だから。そこを抜けと言ったりはしますが、それは年功序列は関係ないと思ってます」

当時やっといてよかったと思うことは?
「見て学ぶこと、いいことは盗むこと。例えばスナップ。めっちゃ見てましたから。僕はもともとおしゃれじゃないし、おしゃれになりたかった普通のパンピーだったから、すごい見てました。あの頃から服が好きで、服を見てたから、逆に今があるのかなと思います。髪型も、あのころのカムバックで今のウルフができたりとか、あのときこういう服着てたから今はこれを着ようとか思えますし」

当時やっとけばよかったなと思うことは?
「SNSですね」

え、当時はなかったですよね?
「でもブログは書けたし。このお店を出したとき、三科(OCEAN TOKYO代表取締役・三科光平さん)はTwitterのフォロワー数が3~4万人くらいいたし、僕は300人くらいしかいなかった。これは次世代の若者たちに伝えたいことでもあるんですが、SNSはやるべきです。やりたくない、とかじゃなくてやるべき。命令したいくらいです。そのほかには、もっといろんな髪型試しとけばよかったなと思います。ずっとロン毛だったし。もっといろんなことやっときゃよかったな……金なくても海外に行ったりとか。飲みに行ったりもしとけばよかったなと思いますね」

すぐ帰ってたから無理でしょう?
「飲みに行かなかったですね。美容学生の時も飲みに行ったことないです。一切。お金なかったし。今は飲めるようになりましたが、飲みに行っていろんな人たちに出会うようになったし、あの頃はいろんな人たちに会うきっかけを削っていたから、先行投資として行っとけばよかったなと思います」

あの頃と自分は変わってないなーと思うところはどんなとこですか?
「生意気なところ(笑)。でも基本的に変わってないですよ。昔からの友達にも言われたんですけど、何も変わってないよな、って」

では変わっちゃったところは?
「丸くなったところ(笑)。その友達に、丸くなってないって言われましたけど(笑)。あとは自分に投資するようになりました。例えば服だったら、ブランドものと似ているものだったら、あの頃は似てるしこっちでいいやって買ってました。でも今は本物の方を買うようになった。本質主義になったっていうか。自分に投資するようになって、ファッション関係の取材もあったりとかしてありがたいことかなと思います」

その当時は自分の歴史でいうとどんな時代ですか?
「大貧民ですよ。何も持ってなかったからな。。何度も辞めたいと思ったし、愚痴もたくさん言った。でも、今でも1年目のアシスタントの頃からずっと来てくれているお客さんがいるんですが、そういう方がシャンプー指名とかしてくれていたから辞めれなかったというのがあるんです。もう辞めるってなっても、たまたま次の日にそのお客さんが入ってるんですよ、あの人に一言も言わないでやめるのは筋が通らないと思って、続いていたっていう。。。。」

どうしてそのお客さんたちは高木さんを選んでくれていたんですか?
「生意気だし、敬語もちゃんとできてないけど、シャンプーが気持ちよかったり、スタイリング一生懸命だったりするから。こいつでいいやって思ったって言ってくれました」

そんな経験をして、今はお店ではどんなことを伝えていますか?
「さっき言った、目の前のお客さんを喜ばせるというお客さん目線と、そのお客さんの周囲からもいいって言ってもらえるようにという他人目線です。それと、本質。どんなにカッコよくなくても、その人のために一生懸命だったらリターンしてくれるし、技術が上手かったらリターンしてくれると思っているので。結局どんなブランディングがあっても、キャラクターや顔がよくても、美容師として本質的なことがよくないとリターンしてくれません。この2つかな。
それとウソをつかないこと。お客さんにも、世の中にもウソをつかない、筋を通せってこと。筋を通せない奴って、絶対売れないと思いますし。人としても。悪いことしました、それをLINEで謝ればいいや、電話で謝ればいいやとか……そういう奴って言い訳はするんですよね。筋を通せない奴は絶対売れないと思っています」

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